「レンゾー・モリナリ」という名前を聞くと、日本人のように感じますが、ご両親はイタリア人であり、Renzo Molinari, DOご自身はフランスで学問を学ばれました。今年で32年の経験を誇る、オステオパシー界のリーダー的存在で、AAO(American Academy of Osteopathy)に対しても強い影響力を持っています。世界的にも有名であり、誰からも好感を持たれる素晴らしい人格者であり、かつ高いレベルのオステオパスでもあります。Renzo Molinari, DOは、トム・ダマーの高弟で、フランス・オステオパシー・カレッジの設立に協力し、最初の校長となります。その後、ヨーロピアン・スクール・オブ・オステオパシーの校長になり、大学としてのステイタスに向けて、スクールの発展に努めました。ヨーロッパ・オステオパシー・アカデミー・ネットワークを創立し主導した後、WOHO(World Osteopathic Health Organization)創設に尽力し、初代会長となります。
Renzo Molinari, DOは、大学・大学院レベルかつ世界的レベルで様々なオステオパシーのトピックを教えることのできる、幅広い経験を有しています。そして実際、数多くの国際セミナーで、重要な講師として賞賛を受けています。 現在は、ロンドンの2つのクリニックでコンサルタントとして勤務しています。
この研究会では、GOT(General Osteopathic Treatmentの略)という非常にトラディショナルなオステオパシーの技術を学びながら、その後は、リトルジョンというオステオパシーをイギリスなどのヨーロッパに広めたD.O.が、 人体についてどのような理解をしていたのかということを学びました。
『オステオパシー』とは、そもそも体や人の生命に対する哲学であり、その哲学を通じてそれを実践する治療技術やテクニックには非常に多くの方法が開発されてきました。そのなかでも、GOTは非常に伝統的であり、人体の生理的なリズムを利用して全身を調整するという方法論です。それ自体、治療にはあまり使わないかもしれませんが、オステオパスとして一通り学んでおくのには非常に有意義であったと思います。
また、リトル・ジョンの人体に対する考え方はスティルとも少し違っており、その考え方を学んだことも非常に有意義な経験だったと思います。
また、モリナーリD.O.の講義は、 実際にご自分の治療経験のなかで起こったことなどをユーモアを交えながらお話して下さり、非常に面白く、ためになる研究会でした。
また来日することがあれば是非参加したいと思う偉大なD.O.だと思います。